「……、……なゆ?」


虚ろな目があたしを捉えて、でも、すぐにぐったりと閉じていく。

だいぶ苦しそう……。



大丈夫?きついの?お水いる?…って、言いかけた言葉はぜんぶ呑み込んだ。


今あたしがマシンガンのごとく話しかけちゃったら、利人の体力奪っちゃうだろうし……。



そう思って黙っていたら

「なゆ、」

目を閉じたままの利人が、再びあたしを呼ぶから。




「なに、どうしたの……っ?」

「こっち……」


「?」

「もっと……こっち、来て」

「っ、!」


すごく不謹慎だけど、弱った声でそんなことを言われると、母性に似たなにかが瞬間的に発動して……。


胸が……ぎゅう、って。