「なゆチャン、最近土屋と一緒にいないよね、どーしたの?」
見上げると、クラスの男子ふたり組。
乃亜ちゃんの質問から逃れるいい機会ができて正直ほっとしてしまった。
「あたし、ちゃんと自立しようと思って……利人がそばにいると、どうしても甘えちゃうから……」
「あーそうなん? えらいじゃん」
「えらいかな?」
自分から離れたんだから、寂しいなんて言わないようにしないと……。
「じゃあさ、今日の放課後オレたちと遊ばねー?」
隣にいたもうひとりが顔をのぞきこんでくる。
「ごめんなんだけど、あたしもう男の子と遊ぶのやめようと思ってて……」
「えー? そこまで真面目にならなくていいじゃん? なゆチャン最近がんばってばっかりだし、息抜きも必要だよ」
「でも……」
「どうせ今日も土屋は迎えに来ないんでしょ?」
う……。
あたしが距離を置いてるからしょうがないってわかってるけど、ハイそうですかって感じであっさりほったらかしにされて傷ついてるんだよね。