とりあえずの目標はアヤノさんに近づくことにしてみたんだ。
足元にもおよばないことわかってるけど……。
「頑張ってるのはえらいけどねえ、アヤノさんにあまりにもこだわりすぎてる気もしないでもないんだよな~。なゆは、なゆなんだから……ね?」
乃亜ちゃんが心配そうな顔を向けてくれる。
言いたいことはなんとなくわかるよ、あたしもアヤノさんにすごい執着してる自覚はあるもん。
でも、どうしても羨ましくって……。
英語のノートの上で自分の手が止まった。
ふと冷静になる。
そうだよね、どんなに頑張ったところであたしはあたしだし、アヤノさんにはなれないし、結局、頑張ったところで意味なんてないのかも。
「……え。てゆーか、なゆ……なんでスリッパなの? 上履きは?」
乃亜ちゃんにそう聞かれてドキっとした直後、机に誰かの影がかかった。