「なーゆ。おはよ」


乃亜ちゃんが珍しく自分からあたしの机にやってきた。



「乃亜ちゃん! おはよっ」

「すごいねー、朝から勉強してるんだ?」


「うん。今度の期末テストで良い点とらなきゃいけなくて」

「お父さんに怒られるから?」


「それもあるけど。利人、真面目な子が好きって言ってたんだよね」



制服だって今までさんざん利人に注意されてきたわけだけど、スカートを短くしてたのは、可愛いからって理由が半分しかなくて。
もう半分は利人に構ってほしかったからなんだよね。



「あのね、生徒会のアヤノさんってすごい清楚なの。制服着崩してないのに、堅苦しくも見えなくて……できる女って感じなのね」

「うーん。まあそうかもね?」


「それにアヤノさんって頭もよくてね。調べてみたら学年でいつも2位か3位に入ってるの。ほんっとに、あたしも、ああならなきゃって思って……」