──────そんなことを考える余裕を手放したのは、本格的に呼吸が怪しくなってからだった。



やっぱり罰かもしれない。


お風呂の蒸気のせいか、頭がくらくらしてきた。

足にもうまく力が入らない。




「ん…っ、ぁ」



限界がきてがくん、と力が抜けた。


すかさず抱きとめる利人。



それでもキスをやめようとしない。


利人、なゆをころすきなのかもって思った。




熱が回って甘く痺れて、頭の中はどろどろになる。


すうーっと意識が遠くなる感覚……。


お風呂の蒸気でのぼせちゃったんだってわかって。酸素が足りなくて求めても熱い蒸気しか入ってこない。



それでも気持ちいいって何事だろうってぼんやり考える。

じわっと浮かんできたのは、何に対しての涙なのかもわからなくなった。