伝わる低い熱がさらに心臓を狂わせてくる。



唇も。

髪も肩も、ぜんぶ冷たい。


平熱が低い俺よりも冷たいと感じるんだから、そうとう冷え切ってる。




「おまえ……どのくらい待ってたの」


「……あんまり、待ってない……」


「ずっと待ってたって言ったの誰。……寒かったよな」

「……ううん」


「ううん、じゃないだろ……絶対風邪ひく」

「いいもん……」


「は?」

「もう、利人に会えたから、いい……。寒くてもいい……。帰ったら、ちゃんとあったかくして寝るし……」




また目眩がした。