神様って、あたしをいじめてるんじゃないかと思う。
諦めてくつ箱に向かったあとに、雨が降ってることに気づいた。
サラサラ…って感じの小雨。
傘は持ってないけど、このくらいなら、とそのまま校門を出た。
途中で雨足が強まってきたけど、走る元気もなくて、濡れていく方がみじめな気持ちを膨らませていく。
とぼとぼ歩いて、ようやく家の前。
でも、そこを通りすぎて、もう少し歩く。
すぐ近くの利人の家。
もう、帰ってるかなって。
全校集会が終わった今なら、忙しくないだろうし。
今日こそは優しくしてくれるかなって……。
でも、部屋に灯りは付いてなくて、玄関は鍵がかかってた。
まだ学校にいるのかな。それとも……。
うう、寒い……。
会いたい……から、
ここで待っててもいいよね……?
屋根のついてる軒下にしゃがみこむ。
スマホで時間をつぶした。
太陽が落ちて、辺りが暗くなる。
「まだ、かな……」
制服は乾くどころか、濡れた部分が広がって冷たくなっていく。
すぐに現れると思ってた利人は、それから1時間経っても帰ってこなかった──────。