いったん口をつぐんで、あたしを見る目つきはやや煽り気味。

その視線に耐えきれずに、泣きそうになりながら自分を守るための次の言葉を探した。



余裕のない頭で考えられることなんて、限られてる。

武器ってもう、これしかない。




「利人に1番に言おうと思ってたんだけど。実は、なゆ彼氏できたの……」



利人の顔は見ない。

見ると泣きそうだから。


しん……と沈黙。

反応、ないの?



おそるおそる顔をあげようとしたところで、ガチャリとダイニングの扉が開く音がした。