3秒後、タンタララ〜と利人のスマホが鳴った。
通話の通知音。
それを合図にぱっとおでこから手を離したけど、利人は目を伏せるばかりで出ようとしない。
「……通話かかってきてるよ?」
「うん」
「……誰から?」
あたしがそう言ってやっとスマホを見たものの、すぐに画面を伏せて「アヤノ」と短く返す。
やだ。
聞かなきゃよかった。
だめ、泣かないであたし。
「……早く出れば?」
やけくそになって圧をかけたら
「今はいい」
って。
なにそれ。
やましいことがありますって言ってるようなものじゃん。
「ど、堂々としてればいいじゃん、利人とアヤノさん……お似合いだもん。この前はだめって言っちゃったけど、好きなら付き合っても……文句言わないし……」
「……、」