「足捻った?」
「あはは。やっちゃいました」
笑いながら言う奈緒。6時間目の体育の授業で足を捻ったらしい。奈緒の左足を見ると包帯が巻かれていた。
「大丈夫なのかよ」
「うん。でも部活は休むからこの後一緒に帰ろうよ」
「あ、あぁ」
「じゃあそれだけ」
そう言うと奈緒は自分の席に戻っていった。
普通に歩いているが途中で机に体をぶつけたりと明らかに普通の様子ではなかった。
「...はぁ」
その理由を分かってしまう自分に朝から何度もついているため息がまた出ていた。