「はいはい、芹くん、ストップストップ〜」 佐城のその声で、美苑は私の上から退いた。 「で、宵ちゃんわかった?自分が大丈夫じゃなかったって」 「……」 ムカつく。 何がムカつくかって、弱くなっていることにすら気づかなかった自分と、……美苑にだ。 「決定だな」 都司はフッと口元を緩めた。 「じゃあ、宵、これからよろしくな!」 加賀美が手を差し出してきて、渋々それを握った。