「変な心配したかもしれないけど、翔馬も慌ててたし許してあげて?

翔馬は陽菜ちゃんのことがいつでも一番。

ものすごく愛してくれているから 」



「うっ……… 」



翔馬の気持ちが分かれば分かるほど涙が止まらなくなっちゃうよ…

翔馬は大変なときでも、私のことが頭の中にあったのに


私は翔馬に嫌われたとか、

ひとりぼっちになっちゃうなんて、勘違いしちゃって


私は最低だ。

いつも自分のことしか考えてない。


翔馬の愛しているのに、何もわかってなかった。



「陽菜ちゃん、もうすぐ翔馬くるから泣き止もう?
翔馬は陽菜ちゃんの笑顔が見たいと思うから 」


「…うん 」



差し出された真緒さんのハンカチを受け取って、

涙を拭いていく。



その瞬間。


私は誰かに手を掴まれた。



え………! 誰!?


「陽菜、心配かけてごめん 」



少し驚いていると、 柔らかい胸の中に抱き寄せられて

低いけど、とても優しい声が耳元に…


身動きが取れなくて、顔は見えなかったのに


声で翔馬だと分かってしまった。