華やかなイメージがあるフランスのパリ。その街を一人のブラウンの長いふわふわした髪の少女が歩いていた。おしゃれで華やかなパリジャンヌたちが通りを歩く中、地味な色のワンピースを着ている。

「はあ……。新しい服、買おうかな」

フローラはそう言い、通りにある服屋を診始めた。フローラには新しい服を買ってくれる両親はいない。物心ついた頃から孤児院で生活している。

孤児院にいる人たちは優しい。しかし、与えられる服は全部お下がりのため、雑誌に載っているようなおしゃれな服はないのだ。

「せっかく外出許可も出たんだし、一着くらい買いたいな……」

フローラはそう言い、自分の好みの服が揃う服屋に足を運ぶ。フローラはシンプルなものよりリボンやレースで飾られた可愛らしい服が好みだ。

「あっ、これ可愛い!」

フローラの目に止まったのは、赤色のリボンがついたレースのたくさんついたワンピースだった。そのワンピースを手に取るフローラに店員が話しかけてくる。