私の堕天使さま!



「……何してるの?」

「いや、うん……で、どこに水があんの?」

「……」


 この人は私をバカにしてるのか、はたまた本当に水道を知らないのか……?

 呆れながらも水道を指差し説明をする。


「普通に、レバーを上げれば水が出るんだけど」

「……! そうか、なるほどな」


 私の言葉に表情を明るくした彼は人差し指を出し、軽く上に上げた。


「……!」


 その途端勢い良く水が出て洗面所で跳ね返り、気がつけば彼の服がびしょ濡れになっていた。

 彼だけでなく、私のパジャマにも水は飛んで来ていた。最悪だ……。


「あ、出しすぎた」


 服を濡らした張本人は全く気にしていない様子で人差し指を少し下ろし水の量を調節している。


 ふつふつと湧き出る怒りを抑えつつ、リビングへ足を向けた。

 さっき着替えたばかりのパジャマを無駄にするわけにはいかない。

仕方なく濡れた部分を乾かそうと引き出しからドライヤーを取り出す。