「へー、これがここの服か。なんだか窮屈だな」
光が収まり目蓋を開くと、不審者だった彼はうちの学校の制服、
つまり学ランに身を包んだ学生になっていた。
彼は窮屈さに少し不満そうにしながらも、どこか楽しそうに自分の制服を見つめている。
「何が……」
あれも手品、なんだろうか……。
この状況についていけない。
「お前、名は?」
急にこちらを向いた彼が尋ねた。
先程まで真紅だった瞳は真っ黒に変わっており、まっすぐにこちらを見つめている。
「え、あ、愛生、です」
反射的に答えると、その子、天羽大翔はにやりと不敵に笑った。
「覚悟しろよ、愛生。お前の恋、絶対成就させてやる」
いやいやいや、誰もそんなお願いしてないんですけど‼︎
私はただただ呆然と立ち尽くすことしか出来なかった…。
