「お前の編入手続きは済ませておいた。名前は天羽大翔。学年はそいつや俺と同じ二年だ」
生徒会長はまるで設定があるかのごとく、彼に状況を伝えた。
この人、不審者じゃなくて編入生だったんだ……。
「どーも。で、ここではお前は何て名だ?」
「俺は安倉友久、生徒会長だ。まぁ、潜入しているのはお前とは関係ない別件だがな」
「別件?」
不審者は"別件"の単語に訝しげな表情を浮かべた。
ここでの名前ってどういう意味だろう。
さっき、彼が言っていたマイケルとかふざけた名前と関係があるのだろうか。
「すぐに分かる。じゃぁ俺はこれで」
安倉先輩は背を向けて歩きながら指を弾き、振り向くことなく校舎内に消えて行った。
彼の指から出た光は不審者に降り注がれ、彼を柔らかな光が包み込んだ。
あまりの眩しさに思わず目を瞑る。
