私の堕天使さま!



「とにかくっ! お前とはこれから一緒に生活させてもらう」

「はいは……はぁ⁉︎」


 やっと辿り着いた倉庫のゴミ箱にちょうどゴミを移し替えた時、

突拍子もない発言が聞こえて耳を疑う。


「何言ってんのこの変態! もうつきまとわないで!」

「おい! 待てって!」


 一緒に生活とかどう考えても怪しすぎる。

 もうこんな奴にかまってられない。



 不審者から逃げるように走り出した私は、

校舎に入ろうとしたところで急ブレーキをかけるはめになった。


「っ!」


 校舎から急に出てきたその人は出るわけでも入るわけでもなく、そこに突っ立っている。


「あの、入りたいんですけど」


 私は苛ついたままその人の顔を見上げた。

 見覚えのある冷静そうな整った顔がこちらをまっすぐ見ている。


「生徒会長……!」

「お前がパライストラ(試練)か」

「ぱら?」


 見覚えのある顔、二年生にして生徒会長の安倉友久(あくらともひさ)は、

私を見た後眉間に皺を寄せた。

 そして視線を何故か不審者の方へと移す。

 不審者は心底驚いた様子で近づいて来た。