私の堕天使さま!



 しばらくして停止していた脳がやっと動き出した。


「……そっか。きっとマジシャンだ。これ手品なんだ」


 上から落ちてきたのも、ゴミのことも、何か仕掛けがあるに違いない。

 手品だとしたら全てに合点がいく。


「お前の好きな人ってさっきのヤツか?」

「はぁ?」


 考え事をしている最中に唐突な質問をされ間抜けな声が出てしまった。


「悪いこと言わないからあの人間はやめとけ。お前じゃ無理だ」


 失礼すぎることを真顔で言われ、どう反応したらいいか分からない。

行き場のない怒りはどうしてくれようか。


「違いますよ、誰があんな遊び人。だいたい好きな人とかいないし」

「そっか。じゃ、これから作らなきゃな」

「作りません」


 どこの誰かも分からない失礼な不審者には

職員室へ行ってもらうのが一番だ。


「あなた、この学校の関係者じゃないですよね。職員室は第一校舎の2階ですから、まずはそこに行って許可を——」

「お前が学校とやらの関係者なら、俺もさっきお前の上に落ちた時点で関係者だな」

「……」


 どうしよう、言ってる意味が分からない。

 というか、話が通じない。