プリキュア☆アースリレーションズ

『じゃあ改めて、話の続きをするベラ』
ガーベラが真面目な顔で三人に向き直った。
『私たちは生命の守り女神(がみ)、ルーチェ様に導かれて、選ばれた若い人間と共に戦う使命を負っているんだベラ』

「戦う?なにそれどういうこと?」
軍手を装備してドライアイスを運びながら杏が飛びつく。

「悪の魔の手が地球に忍び寄ってる、みたいな?私たちヒーロー?選ばれし者?なにそれめっちゃワクワクもんじゃん!」
鈴菜は暴走を開始する。困った癖である。

『ネモはれんたちをこわい目にあわせたくはないフィラ』
相変わらず蓮の鞄から頭を覗かせて怯えた顔のネモフィラ。

『私たちは、』
ガーベラが再び話し始めたその時。


『ほう、ルーチェに導かれた小娘たちとはこれですか』
換気のために開けていた実験室の窓から突然謎の男が入ってきた。
黒と紺のロングコートに身を包み、顔は化け狐の面で隠されている。
『その無駄な伝説とやらを背負うなど馬鹿な人間だと思っていたら、無力な子供ではありませんか、全く嘆かわしい』


『『『フォーズ!』』』
妖精三匹が叫ぶ。

『ちっ、早かったレラ』
顔をしかめるシェフレラ。

「誰、こいつ」

『来てしまったからには仕方ないベラ…準備通り試すしかないベラ』

ガーベラが浮かび上がると、シェフレラ、そしてネモフィラもそれに続く。

「え、みんな飛べたんだ」
鈴菜が驚いて声を上げるが、今はそれどころではない。

『『『ルーチェ様、今こそプリキュアの力を』』』
三匹が声を重ねると、桃、青、緑の三つの光の玉が現れた。

桃色の光は杏へ。
青色の光は蓮へ。
緑色の光は鈴菜へ。

そしてその光はそれぞれの左腕で形を成した。

「…腕時計?」

『それはリレーションハーツ』
『生命の守り神、ルーチェ様の力の結晶ベラ』
そう言いながらガーベラは自らのマントに付いているブローチを外した。

遠目に見ると気付かなかったが、外側と内側で外れるようになっている。
ガーベラは外側のパーツを杏に差し出した。
『これをリレーションハーツにはめるベラ』

ネモフィラ、シェフレラの両者もガーベラに続いてブローチを差し出す。

『…ほう』
フォーズと呼ばれた男は妨害するでもなく面白そうに眺めている。

三人は訳がわからないまま三匹に言われる通りにパーツをはめ込んだ。
三人の身体はリレーションハーツから放たれる光に包まれていく。

妖精たちは真剣な面持ちで見つめていた。
『…ルーチェ様、今こそ伝説が形になる時ベラ』


「「「プリキュア」」」
「「「グリームリレーション」」」