取り出したのはバラのブートニアだ。修二のシャツの胸につける。
私は同じ深紅のバラのブーケを取り出してみせる。どちらも私が作ったものだ。
さらに自分で作ったレースのショートベールをばさっとかぶった。これは、時間がなかったから、雑な作りのものなんだけど……。それっぽくは見えるかな。
「陽鞠」
「……結婚式、ふたりだけでごめんね」
おずおずと言う。修二の反応がないので、そっと顔を見上げると、修二は頬を染めていた。感動しているのか唇が震えていた。
ああ、よかった。喜んでくれている。私も感動で涙が滲みそうになった。
私は歩み寄り、背の高い修二を見つめる。修二が私のベールの前を上げた。
「修二、私と病めるときも健やかなるときも一緒にいてくれますか?」
「はい」
修二が目を細め、愛おしそうに私を見つめる。
「陽鞠もそうしてくれますか?」
「うん……もちろ……」
私の答えは途中から気の早い誓いのキスにかき消されてしまった。
「しゅ……うじ」
「陽鞠、愛してる。ありがとう、最高のプレゼントだ」
私は抱擁の前にブーケを置き、修二のつけたばかりのブートニアも取り外した。修二が意外そうな顔をするので、ベールを髪からむしり取って私から強引にキスをする。
頬が熱い。恥ずかしい。
だけど、修二に惜しみなくすべてをあげたい。
「もうひとつ、プレゼント……」
キスはしたものの、その先をもごもご言い淀む私を察したのか、修二がくすっと笑った。
「それって、ベッドの中でくれるもの?」
「ええと、……うん、そう」
消え入りそうな声で答える私を抱き寄せ、修二はささやいた。
「ありがとう。喜んでいただきます」
私は深呼吸し、自ら修二の手を引きベッドに倒れ込んだ。
私は同じ深紅のバラのブーケを取り出してみせる。どちらも私が作ったものだ。
さらに自分で作ったレースのショートベールをばさっとかぶった。これは、時間がなかったから、雑な作りのものなんだけど……。それっぽくは見えるかな。
「陽鞠」
「……結婚式、ふたりだけでごめんね」
おずおずと言う。修二の反応がないので、そっと顔を見上げると、修二は頬を染めていた。感動しているのか唇が震えていた。
ああ、よかった。喜んでくれている。私も感動で涙が滲みそうになった。
私は歩み寄り、背の高い修二を見つめる。修二が私のベールの前を上げた。
「修二、私と病めるときも健やかなるときも一緒にいてくれますか?」
「はい」
修二が目を細め、愛おしそうに私を見つめる。
「陽鞠もそうしてくれますか?」
「うん……もちろ……」
私の答えは途中から気の早い誓いのキスにかき消されてしまった。
「しゅ……うじ」
「陽鞠、愛してる。ありがとう、最高のプレゼントだ」
私は抱擁の前にブーケを置き、修二のつけたばかりのブートニアも取り外した。修二が意外そうな顔をするので、ベールを髪からむしり取って私から強引にキスをする。
頬が熱い。恥ずかしい。
だけど、修二に惜しみなくすべてをあげたい。
「もうひとつ、プレゼント……」
キスはしたものの、その先をもごもご言い淀む私を察したのか、修二がくすっと笑った。
「それって、ベッドの中でくれるもの?」
「ええと、……うん、そう」
消え入りそうな声で答える私を抱き寄せ、修二はささやいた。
「ありがとう。喜んでいただきます」
私は深呼吸し、自ら修二の手を引きベッドに倒れ込んだ。



