身ごもり婚約破棄しましたが、エリート弁護士に赤ちゃんごと愛されています

「修二……」
「陽鞠、好きだ」

もう一度キスが降ってくる。思考が奪われる。翻弄される。息もできないくらい激しいキスを浴びながら、ああこのまま結ばれるのだと思った。
しかし次の瞬間、修二の動きが止まった。
私自身も驚いていた。なぜなら、私の両腕が修二の胸を押し返していたからだ。退いて、と言わんばかりに。

「陽鞠……」
「えっと……これは……」

嫌じゃない。嫌じゃなかったはず。
むしろ、望んでいた……と思うんだけど。
修二が即座に私の上から退き、頭を下げた。

「悪かった! 俺が調子に乗り過ぎた!」

修二は完全に私の拒絶だと思ってしまったみたいだ。

「嫌じゃないよ! 驚いただけで……」

だから、続けてもいいよ、と言いづらい。言えない私は本当に素直じゃない。
そして、なぜだか今の状況にほっとしている自分も確かにいるのだ。

「久しぶりだもんな、俺も陽鞠も。大学生みたいに焦ってがっついて、俺、カッコ悪いな。本当にごめん」
「き、気にしないで」

私は引きつりながら笑顔になった。

「今日からずっと一緒なんだから!」

そう、今日からは夫婦としてずっと一緒。チャンスはいくらでもある!
あるんだから……!
平気だよね……?