身ごもり婚約破棄しましたが、エリート弁護士に赤ちゃんごと愛されています

たっぷりお昼寝をしたまりあは、目覚めてからしばらく修二と遊んでいた。修二に抱っこしてもらったり、とめどないお喋りに付き合ってもらったり。まりあは満足そうだ。
機嫌がいいうちに帰宅したい。疲れて不機嫌になってからだと、修二と別れたがらないだろう。
東京駅を目指して散歩をすることにして、ベビーカーで出発した。都内は一駅区間が短いので、散歩にはちょうどいい。
まりあはすでにパパとの別れを察知しているのか、口がへの字になっている。帰り道泣いてしまったら抱っこ紐に入れて寝かしつけよう。お昼寝したばかりだから寝てくれるかわからないけれど、あまり泣いては修二も後ろ髪が引かれてつらいはずだ。

「夏はプールに行ってみようか」
「そうだね。まりあ、大きなプールって連れて行ったことないんだ」
「じゃあ、計画しよう」

私たちが話すのは本当に直近の未来の話だけ。来年のこと、再来年のこと、十年後のこと……。私たちは口にしていない。
その気になれば話せる。きっと修二のことだ。すぐにでも動いてくれる。私とまりあと暮らす家を探してくれ、入籍まで段取りしてくれるだろう。結婚式だって考えてくれるかもしれない。
それをしないのは、私がはっきりと修二にOKを出していないからだ。以前より距離は縮まった。復縁に向けて、私も考えている。

だけど、どこかで躊躇してしまうのは、私の心のせいなのだ。
修二を信じて、やり直そう、結婚しようって言えばいいだけなのに。