身ごもり婚約破棄しましたが、エリート弁護士に赤ちゃんごと愛されています

私は修二をよしよしと撫でながら答えた。

「……私も、まあまあ楽しかったよ」
「陽鞠!」

喜びからか修二がさらに腕に力を入れる。私はぎゃあと悲鳴をあげた。体格差を考えてほしい。

「痛い! 離して!」
「ごめん、優しくするから、もう少しこのままでいて」

私は仕方なく、修二の腕の中で黙った。感極まった修二はちょっと可愛いと思ったから。
修二の腕の中は懐かしくて、幸せで、ほっとする。
ずっとずっと、修二と一緒にいたいとも思う。
だから、怖がる必要なんかない。佐富くんに言われたことをきっかけに自分の中で膨らんだ疑念は、さっさと消してしまおう。修二相手にこんなことを考えること自体が失礼だ。

「なあ、キスしてもいい?」

修二がたずねる。私は戸惑いながら答える。

「調子のりすぎじゃない?」
「そんなこと言って、全然顔が拒否してないけど」

こちらを覗き込んで笑うのだから、私は頬を熱くしながら目をぎゅっとつむった。
それを合図に唇が重なる。
修二の唇は熱い。私は束の間キスの温度に溺れた。