修二の部屋に入り、早速私とまりあはカステラケーキの準備だ。ハンドミキサーで生クリームを泡立て、真ん中から半分に切ったホール型のカステラを普通のスポンジケーキのように生クリームをのせていく。まりあは自分がやると言って聞かず、生クリームをテーブル中にまき散らしてしまった。
「まだまりあには難しいよ~」
まりあはそれでも自分がやりたいのか横でキイキイ声をあげて抗議している。そんなまりあの気を引こうと、修二が冷蔵庫から寿司桶を出してきた。
「ほら、まりあのお寿司だよ」
「わ~」
まりあは並んだ寿司を見て歓声をあげた。生魚は二歳から食べさせているけど、まりあが食べたがるのはマグロとエビのみだ。
見れば、マグロとエビと玉子が寿司桶のほとんどを占め、残りのスペースにはかんぴょう巻やかっぱ巻きというやはりまりあが食べられるメニューが並んでいる。
「修二、これどうしたの? 特注でしょ」
「お客の寿司屋さんに頼んだんだ。子どもが食べるからって言ったら、特別に好きなネタだけ小さめに握ってくれたんだよ」
「わあ、ありがたいね」
「まりあ、えびしゅき!」
まりあは今にも手を出しそうになっている。
待て待て、カステラのデコレーションはもうどうでもいいのかい。
「ここのお寿司屋さん、小さいけど銀座でも老舗なんだ。何年か前にご家族の債務整理を俺が担当したんだよ。守秘義務があるから詳細省くけど、それ以来町内のいろんな案件をうちの事務所に回してくれてさ」
修二が仕事の話をするのはめずらしい。多くの場合は話せなから言わないというだけなんだけど、一般に話せるようなこともふたりで暮らしているときに修二は口にしなかった。
「まだまりあには難しいよ~」
まりあはそれでも自分がやりたいのか横でキイキイ声をあげて抗議している。そんなまりあの気を引こうと、修二が冷蔵庫から寿司桶を出してきた。
「ほら、まりあのお寿司だよ」
「わ~」
まりあは並んだ寿司を見て歓声をあげた。生魚は二歳から食べさせているけど、まりあが食べたがるのはマグロとエビのみだ。
見れば、マグロとエビと玉子が寿司桶のほとんどを占め、残りのスペースにはかんぴょう巻やかっぱ巻きというやはりまりあが食べられるメニューが並んでいる。
「修二、これどうしたの? 特注でしょ」
「お客の寿司屋さんに頼んだんだ。子どもが食べるからって言ったら、特別に好きなネタだけ小さめに握ってくれたんだよ」
「わあ、ありがたいね」
「まりあ、えびしゅき!」
まりあは今にも手を出しそうになっている。
待て待て、カステラのデコレーションはもうどうでもいいのかい。
「ここのお寿司屋さん、小さいけど銀座でも老舗なんだ。何年か前にご家族の債務整理を俺が担当したんだよ。守秘義務があるから詳細省くけど、それ以来町内のいろんな案件をうちの事務所に回してくれてさ」
修二が仕事の話をするのはめずらしい。多くの場合は話せなから言わないというだけなんだけど、一般に話せるようなこともふたりで暮らしているときに修二は口にしなかった。



