日曜日、私とまりあは修二の家を訪ねた。
まりあの希望で朝からケーキを焼き、ハンドミキサーと生クリーム、デコレーションのフルーツや製菓材料も持参して。なお、今日のケーキは私でも簡単にできるカステラにしてみた。こうして遊びに来ることが増えたので、修二は家族三人用の食器を買いそろえたそうだ。
メトロの階段を上がり終えたまりあが、銀座の街を走っていく。
マンション前の路地から大通りへ出て修二が待っている。ふたりの顔が輝くのが見える。
「パパっ!」
「まりあ!」
ぎゅっと抱き合うふたりを見て、やはり早く私が動くべきだと強く思う。ふたりが離れることがないように、一緒に暮らせるように。
そう思いつつ、心の奥底で小骨のように引っかかる疑念。
修二はまりあがほしいだけなのではないか。まりあの親権が手に入ったら、私は捨てられるのではないか。
こんなことを考えているようじゃ駄目だ。これから修二とやり直すために、逃げない、向き合うと決めたばかりなのに。
「陽鞠、どうした?」
修二が顔を覗き込んでくる。変な顔をしていただろうか。私はごまかすように首を振った。
「なんでもないよ。ほら、カステラ作ってきたんだ」
「陽鞠、お菓子作り趣味になったんじゃないか?」
「まりあの趣味よ」
「俺のために作ってくれるなんて可愛いなと思ったんだけど」
耳元でいたずらっぽくささやくので、私はこつんと拳で小突く。
まりあの希望で朝からケーキを焼き、ハンドミキサーと生クリーム、デコレーションのフルーツや製菓材料も持参して。なお、今日のケーキは私でも簡単にできるカステラにしてみた。こうして遊びに来ることが増えたので、修二は家族三人用の食器を買いそろえたそうだ。
メトロの階段を上がり終えたまりあが、銀座の街を走っていく。
マンション前の路地から大通りへ出て修二が待っている。ふたりの顔が輝くのが見える。
「パパっ!」
「まりあ!」
ぎゅっと抱き合うふたりを見て、やはり早く私が動くべきだと強く思う。ふたりが離れることがないように、一緒に暮らせるように。
そう思いつつ、心の奥底で小骨のように引っかかる疑念。
修二はまりあがほしいだけなのではないか。まりあの親権が手に入ったら、私は捨てられるのではないか。
こんなことを考えているようじゃ駄目だ。これから修二とやり直すために、逃げない、向き合うと決めたばかりなのに。
「陽鞠、どうした?」
修二が顔を覗き込んでくる。変な顔をしていただろうか。私はごまかすように首を振った。
「なんでもないよ。ほら、カステラ作ってきたんだ」
「陽鞠、お菓子作り趣味になったんじゃないか?」
「まりあの趣味よ」
「俺のために作ってくれるなんて可愛いなと思ったんだけど」
耳元でいたずらっぽくささやくので、私はこつんと拳で小突く。



