身ごもり婚約破棄しましたが、エリート弁護士に赤ちゃんごと愛されています

「修二、ありがとうね。車はともかく、貴重な休みを二日も割いてくれて」

私の御礼の言葉はどこか自嘲気味になってしまう。

「ついこの前まで頼っていたのに、たった半月でまた頼ってしまうなんて、本当に申し訳ないよ」

まりあのために修二と会う機会をセッティングした。だけど、修二を縛りつけることになっている気がする。修二は私との復縁を望み、私は今のところその気持ちに応える気が無い。
それなのに、修二をこうして我が家の事情で拘束しているのはいけないことのように思う。
修二はまりあの父親。だけどいつか好きな人ができて、その人と結婚する未来だってあるのだろうから。

「まりあが俺に会いたくて元気がないって聞いたときさ。まりあを可哀想に思いながら、俺、めちゃくちゃ嬉しかったんだよね」

修二が苦笑いして言う。

「陽鞠とまりあの関係に近づけた気がしてさ。俺、出遅れてるけど、まりあに父親として愛されたい。もっと頼ってほしいし、できればもう少しそばにいたい」

修二は言葉を切り、ちょっと考えてから付け足した。

「頼ってほしいよ、陽鞠にもまりあにも」
「修二」
「このままじゃ、陽鞠とまりあの住む街に引っ越しちゃいそう。さすがにストーカーっぽいだろ、それじゃ。いいパパにはなりたいけど、キモイパパにはなりたくないんだよ」

修二が笑うので私も遠慮がちに笑った。茶化してごまかして、私を気まずくさせない修二はやっぱり優しいのだ。
修二の抱っこ紐の中でまりあは身動ぎしつつ、よく眠っていた。