身ごもり婚約破棄しましたが、エリート弁護士に赤ちゃんごと愛されています

「今日はオムツのシールを自慢してくれましたよ」

今朝、トレパン代わりにオムツに大きなシールを貼った件だ。

「ああ、トレパンを全部洗ってしまって。オムツ替えるとき、嫌がりませんでしたか?」
「なんと、きょうは全部トイレで成功です! オムツを汚したくないからですかねぇ」
「ええ、すごい~!」

担任の先生と私が歓声を上げる中、まりあはダンスを終え、自分の荷物であるリュックをずるずると引きずってくる。

「かえうのよ」
「ああ、そうね、そうね」

ママ、いつまでもぐずぐずしてないで。そんな娘の態度に、私は慌てて立ち上がった。


まりあとともに帰宅すると、母が夕食を整えてくれていた。

「お父さんももう少しで戻るわ。まりあちゃんのお風呂はお父さんに任せたら」
「うん、そうする〜」

こんな時、実家暮らしはありがたい。世のママの多くはワンオペでいっぱいいっぱいだそうだ。私はありとあらゆる点で両親の力を借りられる。ただでさえ、短気でキャパ少なめの私が愛しい娘に余裕を持って接することができるのは、両親のおかげだ。

「そうだ、はいこれ」

毎月届くいつもの封筒を渡され、私は無表情にうなずいた。修二からのものだ。養育費の振り込みの内容証明をいちいち送ってくるあたり。何かあると嫌なので取っておくけれど、中身はほとんど見ない。
だけど、今回の封筒は普段よりちょっと厚ぼったいような……。