特定の彼女は作らない。

理由は様々。

手伝いで忙しいし、家に呼びたくないし、同じ学校の人は嫌だし(別れた後面倒だし、色々バラされて素性が皆にバレるのは嫌だし…)、携帯持ってないし(バイトする暇ないから買えないし…)、……まぁ、一番の理由は”好き”の感情まで行かなかったり。

告白はされるけど『特定はいらない』って断る。



―――けど、百合子は偶然出会った、天使みたいに優しくて綺麗で、可愛い人。(あ、コノ表現は相川にも百合子にも内緒…)



「年上彼女!?いーなぁ…アレこれ、してくれる?」

「お前、そればっかりだな…」


アレ、これ…ねぇ。

まだ、頬っぺたにチュー止まりだよ。

ソレ以外…は、飯作ったりはしてくれるから、俺は楽々なんだけどさ。



「なぁ、なぁ、どこまでした?つーか、してくれた?」

「さぁな」



あぁ、してくれたよ、頬っぺたにビンタ…。



「冷てぇなぁ、教えろよーっ!タラシだろ、お前」

「タラシだとっ!?俺、まだ女とした事なっ…」

「なっ?ま、まさか、無いの?」

「そんな訳ないだろっ」

「焦ってるーっ!まぁ、俺とお仲間だなっ。これで本当の友に慣れた気がするよ、諒ちゃん」



俺を見てゲラゲラ笑って、肩を組んでくる相川はとってもウザったい。