ガサガサの手の理由は家事をこなしてるから、かな?

帰ったら、しっとりクリームを塗ってあげようかな。



「子供が増えれば金もかかるし、母さんはパートに出てんだ。…でさ、家事は子供達が担当。樹里はいつもサボるし…!!百合子に会った日だってサボったし…」

「その日、樹里ちゃんと会ったけど途中で帰ったんだよ…?」

「ふうん、そう…」

樹里ちゃんに内緒って言われたけど、彼も可哀相になったから、当たり障りない程度に言っちゃった。

血相変えて逃げたのは、もしかして、家事をサボった日に彼が居たから?



「百合子、お腹空いたかも…。あいつら、御馳走だって言って食いつくして、俺、何も食べてない…」

「そういえば、私も何か食べたいかも。よしっ、何か食べに行こうっ」



たまには、私から手を繋いでやるかっ!

冷え切ったガザガサな手を繋ぎ、夜の街に繰り出す。

もう22時過ぎてる…。

「ううっ…やっぱ寒いから、家でピザ取ろう」

少し歩いたけど、寒くて限界。

タクシー代も馬鹿にならないしな…。

「百合子と居られるなら、どこでもいいよ」

「調子乗るな…。さっきの約束はどうした?」

頬っぺたにチュッてして来たから平手打ちをお返しした。

神様、明日からどうなるんでしょうか…私の生活。