エレベーターに乗り込んだ。5〜6人が既に乗っていて少し窮屈だった。 扉が開き、高橋さんが降りた。 15階… 普通の客室で違和感を覚えた。 なかなか降りない私のことを乗客は、不審な目でチラチラ見ていた。 そんな私を見て高橋さんがグィっと手を引く。 「何ボケーっとしてんの?」 「えっ、だってこの階」 「あぁ、スイートルームがあるんだよ、ちょっと広めのね?」 そう言って、また私の手を引っ張って歩き出した。 「ここだよ」 そう言ってカードキーをあてて中に入った。 ガチャ