「で?何があったの?」
そう聞いた絢斗に、私は昨日の事を話した。
なんて言われるだろうかと、不安になりながら。

「凛さ、もっと自分のこと大切にしろよ」

「えっ?」

紗奈たちとは全く違うことを言われびっくりしてると、料理が運ばれて来た。

「人の事を考えて行動し過ぎなんだよ、
しんどい時にはしんどいって言わないと…」

「うん...」

「本当に分かってる?」

「うん、分かった。」

「じゃあ、昨日の朝に戻ったら、唯斗君に熱が出たって言える?」

「言え..ない、です...」

「なんで?」

「だって」

「だって?迷惑かけたくない?」

「うん」

「そう思うなら、別れたほうがいい、お互いの為にも」

「えっ」

「だってそうだろ?つらいときにつらいって言えないなんて、付き合ってる意味ある?」

何も言えなかった。
その通りだと思ったから。

「で、凛はどうしたいの?」

「私は、唯斗君が好きでこの先もずっと側にいたいから別れたくない!
でも、嘘を突き通して、なかったことに出来るほど、唯斗君は甘くないから正直に、言って謝る、
許してもらえるか分かんないけど…」

「そう、じゃあ俺は応援するよ、まぁ別れたら慰めてやるから心配するな」

「うん、ありがとう…」
そう言うと、絢斗は、ナフキンで口を吹き手を合わせた。

「ご馳走様でした」

相変わらず早食いだなぁ、と思いながら、私もジンジャエールを飲んだ。

「じゃあな」
そう言って、伝票を取り絢斗は、席を立った。

「ありがとう!」
私が、ニコッと笑うと、爽やかに立ち去っていった。