「あら美空、おはよう。
そんな所に突っ立ってどうしたの?」

振り向くと、お母さんが玄関先から不思議そうにあたしの様子を伺っていた。

「お、お母さんっ……!」

あたしは駆け寄って、お母さんに抱きついた。

「え、なに急に。どうしたの?」

戸惑ったようなお母さんの声に、あたしは少し体を離してぎゅっと両手を握った。

しっかり目を見て、真剣に言葉を紡ぐ。

「昨日は本当にごめんなさいっ!

お母さんが納得いくまで謝るから、お願い許して下さいっ!
朝も一人ぼっちなんて寂しいよっ!

ごめんなさいっごめんなさいっ…… 」

「え、美空……?」

あたしの言葉に目を見開いたお母さんは、暫くの沈黙の後、クスリと笑った。