頑張ってもらうって何されるの?


抱っこされたまま、キョロキョロしていると、

周りにはいくつかのベットがあった。


カーテンで仕切られているから、どんなに人が寝ているのかはわからないけど、

それぞれベットの横には点滴台みたいなものがあって嫌な予感しかしない。


「グスッ…この部屋怖いです 」


「花音ちゃん、降ろすよ 」


先生はベットにそっと座らせてくれたけど、私の手だけはしっかり握っている。


「先生、離して下さい 」


「ダメ。花音ちゃん逃げそうだから 」


なんとか抵抗しても、まったく振りほどけない。


「グスッ…先生、私に何するんですか? 」


「治療だよ。あと花音ちゃんは入院が必要だから、部屋が準備できるまで、ここで点滴するよ 」


点滴も入院もするなんて言ってないのに…


やだよ………


私の恐怖心を取り除こうとしているのか、もう片方の手を優しく頭を乗せながら話を続ける先生…