今日、学校に行くと
大嫌いなキミが転校するって聞いた。
キミはいつもヘラヘラ笑っていて、みんなに平等だった。
悪くいえば八方美人で。
僕は仲良くなりたいって、ずっと思ってたのに。
キミは仲のいい友達を作らなかった。
...僕にも話しかけてくるし。
そんなキミが大嫌いで。
そんなキミが大好きで。
その日、僕はキミの前で、初めて泣いた。
キミはすごく驚いていた。
そりゃそうだ。
いつも大嫌いって言われてたヤツに、、突然目の前で泣き出されたんだもん。
でも、意地っ張りな僕は「なんでもない」と言い張って。
キミをもっと困らせた。

転校する日、キミはみんなに「ありがとう」と言っていた。
僕の順番になった時、キミの「ありがとう」は聞こえてこなかった。
(仕方ないか。)
(当たり前じゃないか。)
そんなふうに思って。
唇を噛み締めて下を向いた。

キミは引越しの準備があると、早めに帰った。
もう会えないなとか思ったりして。
学校からの帰り道、キミにあった。
知らないふりした方がいいよね。
無視して帰ろうと思った。
でも、やっぱり無視できなくて。
僕はキミのところまで駆けつけて。

「大好きだった。ありがとう。」

それから、キミにはもう会っていないけど。
キミは最後に、困ったように笑ってた。

(こちらこそ。ツンデレ君。)