桜井くんはヤメテくれない

「自惚れないで下さい、褒め言葉だから。」


「素直じゃないね。」



どんだけポジティブなんだこの人は。



「私はいつだって素直だもん」


「さー、どうだか。弥生ちゃん、貧乏ゆすりさっきから凄いけど?」



…っ、!!


「こ、これは…っ、違うもん。癖だし。」


「弥生ちゃんが行かないでって泣いてお願いするなら行かないけど。」


「だから…!別に私は何も気にしてないもん…!」



桜井くんが女の子と遊ぼうが私に関係は無いもん。

それは事実なんだから。




「ほらー席つけ〜。HR始めるぞー」



そんな時、タイミング良く(?)入ってきた担任の川口先生の声で皆が席に着いていく。



そして私も前を向く。

横から桜井くんの視線を凄く、感じるけど…。


「〜〜〜…。はい、今日の連絡は以上。次移動教室だから早くするんだぞー」





ちゃちゃちゃっと話を済ませるとそそくさに出て行った川口先生。