月の光に響く時

ヒュヒュッ!!!


「おっとっとっ!」


突然飛んできた何かに少年は素早く身を交わす。

恐らく飛び道具な物だ。見えなかったからわからないけど。


「不意打ちとは流石っスね」

「不意打ちを避けるとは、相変わらず猿みたいだね」


お互いを褒め合っているのか皮肉を言っているのかわからないけど、
私の前でも激しい争いが始まってしまった。

近くにあった木にナイフの様な凶器が3本刺さっている。

怖い!!怖いよ!!なんでこんな事になってるの!?

誰か助けて!!!おじいちゃん!!お母さんお父さん!!


「うおおおおっ」

二人の戦闘が始まったのを皮切りに、屋根に佇んでいた数人が一斉に動いた。

どうやら私の方へ向かってくる。

狙いは私の様だった。


「あれが巫女だな!?」

「間違いねえ!!捕らえろ!!」

「いいや殺した方がいい!!」

「生け捕りの方が後で褒美をもらえるぞ!!」



屈強な肉体の男達が狂喜に満ちた顔でこちらへ向かってくる。



「!!!」


ゾクゾクゾクッ

それがあまりに恐怖で、悲鳴を上げる事すらできず私はしゃがみ込んだ。

その時___