その手をぎゅっと掴めたら。


虹ヶ丘ランドに行ったその日から、私は学校を休んだ。葉山くんからのメールには、体調不良と返したけれど、偽りだと疑われているだろう。


葉山くんに会ってしまえば余計なことを口走ってしまいそうで怖かった。

今までと同じように学校に行って、今までと同じように過ごすことができなかった。返却されているであろうテストの結果さえ、どうでもよかった。


ただただ、その時を待つ。


4日間、学校を休み、亜夜とさえもほとんど口を利かないままーー待ち続けた。




ーーそして金曜、17時。

静かに扉が開いた。