オオカミボーイフレンド

「……あんたが銀星に陰で指示出してたの？」


「いや、デートしてみたら？って提案しただけなんだけど、でも銀星ってああ見えてまともな恋愛経験ないから、心配になって俺がついて行ってサポートしてやろうと思ったんだ……でも結局あんま上手く行かなかったな。ごめん」


「別に謝らなくてもいいけど……」


やっぱり遊園地を選んだのは銀星じゃなかったのか。どう考えても銀星のキャラじゃないと思っていたから、謎が解けてすっきりした。


しかし、それよりも銀星がまともな恋愛経験がないという言葉のほうが気にかかった。
女慣れしているように見えるけれど、遊びでしか付き合ったことがないということだろうか。


「……そんなに私と銀星をくっつけたいの？」


何となく聞いてみると、友幸ははっきりと頷いた。


「もちろん。銀星には君しかいないと思ってる」


「……そんなことない。銀星には私なんかよりも理華さんみたいな人のほうが似合ってるし」


「理華じゃ駄目なんだよ。それに、気付いてる？昔の君なら自分が銀星の女になるのが嫌だって言ってたはずだ。でも今は、銀星には他の人のほうが似合うって言った。ほんとはもうそんなに銀星のこと嫌じゃないんだろ？」


核心をつく友幸の言葉に、私は「でも……」と首を横に振った。