オオカミボーイフレンド

なぜふたりが買い出しに行くのだろう。普通、理華さんと友幸が行って銀星が残るか、理華さんが残って銀星と友幸が行くかの2択じゃないだろうか。
私と銀星は一応付き合っているという体なんだし……と考えて、自分は一体何を考えているんだとはっと我に返った。


今日の私は何だかおかしい。初めてのデートで浮かれてしまっているのか。


バッグからスマホを取り出して時間を確認すると、午後2時を回ったところだった。
もしかしてみんな私に付き合ってお昼を食べ損ねたんじゃ……と気付いた私は、申し訳なくなって友幸に頭を下げた。


「ごめん……お昼、まだだよね。私に構わず食べて来ていいよ」


「そんなの気にすんなよ。元々このデート仕組んだの俺だし、場所選んだのも俺だから。お姫様が絶叫系弱いの把握しきれなかった俺のミス」


そう言って苦笑する友幸に、私は驚いた。