オオカミボーイフレンド

「……銀星……」


目を閉じたまま、無意識に口を開く。


「行かないで……」


その時私は半分夢の中にいて、自分が何を言っているのかよくわからなかった。
ただ、お兄ちゃんのように銀星がいつか私の前からいなくなってしまう気がして、怖かった。


*****


目を覚ますと、私はベンチの上に寝かされていた。今何時だろう、と思って起き上がると、側に友幸がいて、私の顔を見てほっとしたように笑った。


「よかった、さっきよりは顔色良くなったみたいだな。体調、大丈夫そうか?」


「うん……だいぶ良くなった。心配かけてごめん」


「いや、こっちこそ理華の暴走を止められなくてごめん。銀星と理華は今飲み物買いに行ってる」


「……そうなんだ」