オオカミボーイフレンド

「……大丈夫か?」


ふらつく足に力を入れて何とか立っている状態の私の腕を銀星が掴み、ベンチの上に座らせる。


「姫川さんって絶叫系苦手な人?先に言ってくれたらもうちょっと手加減したのに〜」


「はは……遊園地なんて来たの、小学生の時の遠足ぶりだから……」


心配しているのか呆れているのかよくわからない笑顔を浮かべる理華さんに、私は素直に白状した。


両親にこういうところに連れて来てもらった記憶はないし、私も特に行きたいとは思わなかったから、自分が絶叫系が苦手だなんて今日初めて知ったのだ。


「すみません、ちょっと休みます。理華さん達は気にせず遊んで来てください」


「えっ、いいの?じゃあ友幸、行こっか」


「なんかあったら連絡して」


そう言って、ふたりはあっさりと去っていった。
私は隣に腰かけた銀星にも声をかける。