オオカミボーイフレンド

人は見かけに寄らないものだ。
だがそれよりも、銀星に友幸以外に友達がいたことが意外だった。しかも、あんなにかわいい女の子だなんて。
女性はみんな銀星に群がるものだと思っていたから、私以外にも彼をそういう目で見ない女性が存在したという事実にも驚いた。


……そこまで考えて、「私以外」という自分の言葉が引っかかった。まるで自分が銀星の特別な存在だと思っているかのようだ。


そんな自分の考えを馬鹿馬鹿しい、と一蹴して、私は目の前の現実に目を向けた。


「ねぇ、あれ乗ろうよ」


理華さんが指さしたのは、この遊園地で一番大きなジェットコースターだった。


それからお昼になるまで、私達は数々の絶叫マシンを堪能した。……いや、堪能する余裕なんてないくらい、絶叫していた。私ひとりだけが。