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そして、デート当日。
休日ともあって街はどこも賑わっている。
カップルや家族連れが行き交う中、私は鬱々とした気持ちで歩いていた。
銀星から集合場所として指定されたのは、地元ではデートスポットとして有名な、いわゆる遊園地だった。
遊園地なんて、私や銀星にもっとも似合わない場所じゃないか。
私は嫌だと文句を言ったが、銀星は頑として譲らなかった。
そして遊園地の入場口前の広場まで来て、私はさらに苛立った。
「君、かっこいいね。ひとり?友達と来たの?」
「良かったら私達と回らない?」
銀星が、綺麗な女性達に囲まれて逆ナンされている。
人を呼びつけておいて自分は呑気に女にチヤホヤされているとは、どういうことだ。
私の怨念のこもった視線に気付き、銀星が女性達をかき分けて私の元にやって来る。
「遅かったな」
「……私が来なくてもよかったんじゃない?あの人達と遊べば?」
私を睨みつける女性達を見ながら嫌味を言ってやると、銀星が私と女性達の間に立ちはだかった。

