「本当ならこいつも二度と学校来れねぇようにしてやるところなんだがな」


銀星が賢翔を睨みつけながら不満そうに呟く。
その視線に、賢翔がびくりと身体を揺らした。


「もちろん、お姫様が望むならそうするつもりだったけどな。俺が裏で手を回してこの街にいられなくさせることだってできるし。でも、お姫様的には賢翔を一生下僕にでもしたほうが、得かなって思って銀星を止めたんだ」


友幸が、私に意味ありげな視線を送る。
私はその言い方が、何か引っかかった。


いやそれよりも、今裏で手を回して……とか聞こえたが、気のせいだろうか。


「そんなことより、せっかくふたり揃ったんだ。俺らは退散してふたりっきりの時間を過ごさせてやろう。な?」


「そうですね!姫様、なんかあったらいつでも呼んでください!」


そう言って、ふたりは教室を出て行った。