友達だと思っている相手に平気であんなことをするとは思えない。
その時、私はようやく彼女達の中で自分が見下されていたことを悟った。
対等なんかじゃなかった。彼女達は私を自分の引き立て役として側に置いていただけで、私自身には欠片も興味がないのだ。


私は自分がクラスで浮いていることに気付いていた。だから、できるだけ他人に合わせようと努力してきた。


でも、そんなことをしても無駄だとその時にはっきりとわかった。
自分を押し殺して彼女達の引き立て役でいるより、ひとりでいるほうがずっといい。


「悪いけど、冗談であんなことするような奴とは一緒にいたくない。今までありがとう。さよなら」


私はきっぱりとそう告げて、彼女達の前から立ち去った。
それから私はひとりでいても舐められないように、派手な格好をして自分を強く見せようとした。
それが仇となって、不良達に因縁をつけられることも多々あったが、お兄ちゃんから護身術を習っていた私は、男子相手ですら負けることはなかった。


今あえて大人しいふりをしているのは、他の生徒達を油断させるためだ。
……今となっては、意味のないことだけれど。