「とりあえずそこで反省してろ」


……何を反省しろと言うのだろう。


私は大きく溜息をつき、身体が動くようになるまでは大人しくしていようと思った。
だが、扉が開いた時に外が薄暗かったのを見て、部活をしている生徒達も帰ってしまったのではないかと不安になる。


もし、このまま誰にも見つけてもらえなかったら……そう思うと、脳裏に忘れたはずの光景がフラッシュバックする。


私は不安を断ち切りたくて、きつく目を閉じた。


*****


中一の冬のことだった。


私は当時仲の良かった女子達から、突然体育倉庫に閉じ込められた。
なぜみんながこんなことをするのかわからなくて、「開けて」と叫びながら扉を叩いても、誰も助けに来てはくれなかった。


私が助けられたのはそれから2時間後、部活をするために他の生徒達が倉庫の扉を開けた時だった。
解放された私は女子達を「なんでこんなことするの」と問い詰めたが、彼女達は顔を見合わせてくすくすと笑った。


「えー?なんか面白そうだったから?」


「ただの冗談じゃん。そんなマジになんないでよ、シラケるからさ」


面白そうだったから?ただの冗談?
私は耳を疑った。