オオカミボーイフレンド

「……何か用?」


「話があんだけど」


賢翔は不機嫌さを隠しもせずに言った。


「来い」


そう言うと、掴んだ私の腕を引っ張って歩き出す。


「ちょっと……離してよ」


私は抵抗するが、賢翔は手を離そうとしない。


やがて、人気のない体育館裏に辿り着いた。
こんなところで、一体何を話すというのだろう。話ならどこでも出来るのではないか。


私は嫌な予感がして、賢翔の手を振り払ってその場から立ち去ろうとした。