オオカミボーイフレンド

不満そうに眉根を寄せて私を睨みつけ、今にも噛みつかんばかりの勢いで言った。


「銀星さんは王として完璧だ。それなのにてめぇみたいなオメガ女が急に銀星さんに近付いて、あの人を惑わせてる。てめぇは男を手玉に取るクソ女だ」


「おい、賢翔……」


友幸が止めるのも聞かず、賢翔は舌打ちして私の膝の上のお弁当を蹴散らした。


お弁当の中身が地面の上に散らばり、私はさすがに頭にきて賢翔を見上げた。


そして賢翔に向かって拳を振り上げた時だった。


「やめろ」


感情のこもらない低い声が、私の動きを止める。


振り向くと、銀星がこちらに歩いてくるところだった。


「銀星さん……」


賢翔が驚いて銀星を見る。


だが、銀星は賢翔の前まで来るとその顔を思いきり殴った。