オオカミボーイフレンド

銀星は全身から恐ろしいまでの殺気を放ち、飢えた獣のようなギラギラした瞳で私を睨むと、私の腕を強い力で掴んで引き寄せた。
ソファの上に押し倒され、私の上に銀星がのしかかる。


「……っ」


銀星は身動きできなくなった私に覆いかぶさり、首筋に歯を立てた。
ズキンと痛みが走り、私は顔を歪めた。


普段は憎たらしいくらいに悠然としている銀星が、何かに追い立てられるように余裕をなくしている。
こんな銀星を見るのは初めてだった。
木下を傷つけた時ですら、ここまで我を失ってはいなかったはずだ。


今日の銀星は、どこかおかしい。


私は銀星の肩を押して必死に抵抗し、やがて銀星が私の首元から離れると彼の顔を凝視した。


「……何があったの」


気がつくと、そんな言葉を漏らしていた。