友幸はドアに手をかけて、申し訳なさそうに言った。


「……先に謝っとく。ごめん」


「え……」


言葉の意味がわからず、戸惑う私を置き去りにして、友幸は教室のドアを開けた。
目線で「入れ」と促され、教室に足を踏み入れる。


「じゃあ、俺は教室戻ってるから」


友幸は室内に向かってそう告げると、ドアを閉めた。
珍しく中庭側の窓のカーテンが閉められていて、教室内は薄暗い。


……何だか、普段と雰囲気が違う気がする。
そう思いながらソファに座る銀星を見た私は、目を瞠った。